2013年11月11日月曜日

物語シリーズ最新巻 「終物語(上)」 レビュー2

「終物語(上)」のキーパーソンである忍野扇。

「終物語(上)」のキーパーソンどころか、本シリーズ全体の最重要人物なのでは?という感じになっておりますが、本当にこの子、謎すぎます。

そもそも、身元(?)が「忍野メメの姪」(自称)。

とりあえず読者としては、名字が「忍野」なので、まあ忍野メメの親族なのね、と納得して読み進めるしかないのですが、当然彼女が自称しているだけなので、本当に親族なのかはわかりません。

そして、不思議なのは、我々読者はともかくとして、登場人物達(特に、主人公である阿良々木暦)もあまり彼女の正体を怪しんでいないということ。

怪しんでいないというか、「何らかの力によって怪しまないようにされている」というような印象(と特に、阿良々木暦)。

この「何らかの力によって」という感じから、忍野扇は何やら「怪異」的なものなのでは?という疑いも生じてくるわけです。

しかし、怪異の専門家である忍野メメの姪を名乗る怪異、というのも、さすがにそれはないだろう、という感じもします。

「終物語(上)」では、忍野扇によって、阿良々木暦がこれまで向き合うことを避けていた過去が暴かれていきますが、彼女の目的がわからない。

今作は、阿良々木暦の物語なので、忍野扇のターゲットは阿良々木暦でしたが、「囮物語」の時は千石撫子にアプローチして、撫子があんなことになったきっかけを作りました。

もはやあんまり覚えていませんが、他の物語でも、彼女は裏で暗躍していたような気がします。

この、「あんまり覚えていない」というのもなんか嫌な感じですね。
まるで、忍野扇にそう仕組まれているよう。
いや、これは単なる私の記憶力の問題か。

でも、撫子のケースにしたって、直接アプローチしたのは撫子だったけれど、それにより結果的には、暦の物語に大きな影響を与えたわけで、そう考えると、やっぱり彼女の目的は、阿良々木暦にあるのかもしれません。

いや、どうなんだろう?
全然わからない。

そういえば、「何でも知っている」臥煙伊豆湖(がえんいずこ)は、忍野扇についてはどういう立場にいるのだろう?
「何でも知っている」のだから、もちろん彼女の正体も目的も知っているのでしょうが、臥煙伊豆湖が何もアクションを起こしていないなら、忍野扇の動きは、臥煙伊豆湖の意思に反するものではないのでしょう。

次巻予告を見る限り、「終物語(下)」は忍野扇の物語のようなので(当てにはなりませんが)、このあたりの疑問も次である程度解消されるのだと思います。思いたい。
「終物語(中)」が挿入されて、忍野扇の秘密がお預けにならないことを祈りつつ、今日はこの辺で。
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